水まわり入門
水まわりは建築物の中にあっては給排水衛生設備と称され、水道工事店によって施工される。
衛生的な健康に適した清浄な水を供給する給水管・水栓金具、水の加熱装置から適温水を送る給湯管、排水の逆流や溢れ作用の危険を生じないよう安全な衛生器具類・排水管と通気管等を含めた日常生活に不可欠な設備です。
水まわりは、家族みんなが毎日利用する場所です。
それだけ身近な存在でありながら、私たちは意外に水まわりのことを知らないようです。
知らないために不要なトラブルを招いたり、器具の寿命を縮めてしまうことも少なくありません。
器具を長持ちさせるために
○トイレ・ウォシュレット
ウォシュレットは見た目には普通の便座とあまり変わりはありませんが、中身はマイコンなどの電子部品がぎっしりつまっている電気製品です。おおむね10年の寿命と考えてください。
汚れると水をかけて洗いたくなりますが、故障や事故の原因になりますのでやめてください。手入れの際はよく絞った雑巾で拭くようにしましょう。
ウォシュレットなどの電気製品は雷によって電子回路部分が損傷することがあります。雷がなりだしたら器具の保護のため電気プラグをぬいてください。
ウォシュレットを含めて便座にはABS樹脂というプラスチックが多く使用されています、便器は陶器ですから少々ハードな洗剤を使用しても材質に影響を与えることは」ありませんがABS樹脂は薬品類に弱い欠点があります。トイレ用洗剤の多くは陶器に付着したしつこい汚れ落としを目的に開発されていますので、なかには便座に悪影響を与える物もあり便座に使用したり付着させると短い期間でヒビが入ることがあります。便座のお手入れには便座専用の洗剤をご使用ください。
トイレの水を節約するため、タンクの中にビール瓶やレンガを入れることはおすすめできません。タンクの中には水を入れたり止めたりするボールタップとよばれる器具や便器へ水を流す排水弁などがありビン等がこれらの正常な作動のじゃまをし故障の原因になることがあります。
また、便器の洗浄に必要な水量は便器の機種ごとにきまっており、その水量を流すことによってはじめてその便器の洗浄機能が維持できるようになっています。ですから決められた水量以下では洗浄機能の保証が出来ず、汚物が残ったり、最悪の場合詰まってしまうこともあります。このようにむやみに水量を減らすことはいろいろな支障が生じることがありますので決められた水量でご使用ください。
便器の節水は便器自身の構造によって少ない水量で洗浄できるようにした節水タイプに取り替えるしか方法がありません。いまの洗浄水量の主流は4.8リットルです。一昔前の便器に比べたら1/3の水量です。
○入浴剤を使用した後は浴槽のお手入れを
温泉気分を楽しんだり、香りを楽しむなど、バスタイムを楽しくする入浴剤がたくさん市販されています。気分転換にもなり、お風呂好きの人にはうれしい商品ですが、浴槽にとってはどうでしょうか。
入浴剤にもいろいろありますが、硫黄分を含むものは、排水金具やゴム栓取付金具などのメッキ部分が黒く変色します。その他の者は、入浴剤の説明書をもとづいて規定の濃度で使用すれば問題はないでしょう。ただし入浴剤は一種の薬品ですから、普通の水だけを使用した場合に比べると、浴槽の耐久性は低下します。入浴剤を使用した後は、よく水洗いをすることや毎日の使用はなるべく避けた方が浴槽には優しい気配りになります。